一般的な営業担当者は、1日の稼働時間のうち最大30%を管理タスクと反復タスクに費やすと言われております。これは本来の仕事である販売や取引にかける時間を短縮してしまい、自社の収益を生み出す、有益な取引の時間、考える時間などを奪ってしまうことを意味します。
管理タスク、反復タスクは自動化できるものが多くあり、それらを手動で続けることは機会損失を招き、会社の生産性の向上を妨げてしまうといっても過言ではありません。
これを回避することに重要なのはワークフローの自動化です。今回はワークフロー自動化とは何なのか?効率的なワークフロー自動化のための5つのステップについて説明していきます。
ワークフローの自動化とは?

ワークフローの自動化とは、データ入力などの反復タスクを、事前に定義されたルールによってシステムで制御し、人の主導で処理するのではなく、自動的にそのタスクを管理させる仕組みのことです。
これにより従業員の不要なステップを削除し、プロセスを効率化、さらにはシステムを活用することにより今まで時間のかかっていた複数のアクションを同時かつ高速で処理することが出来るのです。
具体例に落とし込むと、タスクの割り当て、進捗状況の追跡、書類への記入などを手動で行わなければならないいう業務、皆さんも身に覚えがあるのではないでしょうか?これらの反復業務を自動化することにより、新規顧客への取引や、事業戦略を考えることに時間を多く使うことができます。
また、人の介入が減ることにより、ヒューマンエラー(人的ミス)の減少にも繋がります。
ワークフロー自動化の4つのメリット

テクノロジーの発達や、企業の絶え間ない努力により、世の中には数々の製品、サービスがリリースされていきます。そのたびに顧客の期待は高まり、製品やサービスを提供する企業は大きなプレッシャーにさらされていることでしょう。
そんな中で、さらに良いものを作り出したい、少しでもミスを減らしたいという観点でワークフローの自動化は、顧客の要求に応えるのはもちろん、競合他社に対して先手を打つ重要な鍵です。それではワークフローの自動化により得られるメリットを4つ紹介していきます。
1.サービス品質を向上させる
データ入力、書類の作成など、毎日同じ退屈な仕事は従業員の士気にマイナスな影響を与える可能性があります。
代わりに、日常的なタスクを自動化することで、やりがいのある新しいタスクを毎日実行する機会を提供します。それは従業員のやる気を維持し、生産性を高めます。
ある企業では、マーケティング自動化ワークフローソリューションを活用した後、生産性が少なくとも12%~15%向上したという報告もあります。
2.ヒューマンエラーを減せる
人がいくら注意を払っていても人為的ミスは避けられません。これは人が作業を行う上ではどうして生まれてしまう問題でもあります。
ですがワークフローの自動化により、人が手作業でおこなう承認などに費やされる時間を節約できます。さらにこのミスの発生率をかなり低くすることが出来るのです。
例えばお問い合わせの返答も、誤字、宛先間違い等、人が手作業で行うとこれらのようなミスは発生してしまいます。しかしweb接客、ライブチャットを活用すれば、いくつかの一般的な質問に関しては自動的に対応することが出来ます。
監査やデータ入力などのタスクへも人間の介入を減らすことで、正確さを担保し時間を節約することができます。
3.データのバックアップを簡単に作成できる
データはいつでも侵害されたり失われたりする可能性があり、安全なバックアップをとっておくことはビジネスにおいては必要不可欠です。これも作業を自動化してしまえば、手間なくすぐにバックアップを作成することができます。
また、使用するツールにもよりますが、バックアップ以外のものを作成することも可能です。例えば、先ほどのお問い合わせの場合、同じ特性を持つ連絡先リストを自動的に作成することも可能なので、カスタマーサクセス部隊に対して、適切な顧客リストを提供することも可能です。
4.ビジネスプロセスの洞察の向上
業績を定量化し、すべての販売タスクの進捗状況を追跡することが、収益目標の達成に関して常に把握する唯一の方法です。
自動化されたワークフローソリューションは、全社的なパフォーマンスを把握することにも有効です。今までの1、3のステップで説明した、すべてのファイル、顧客とのコミュニケーション、およびすべての販売プロジェクトの追跡を容易にし、ビジネスの進捗状況をリアルタイムで可視化するのに役立てることが出来るのです。
効率的なワークフロー自動化のための5つのステップ
それでは実際にワークフローを自動化するために必要な5つのステップについて紹介します。
1.反復的なタスクを特定する
最初のステップは、反復的なタスクがある領域を特定することです。 当たり前のように聞こえますが、業務のどの部分に一番時間を使わなければならないのか、つまり、どの工程が一番会社の収益に影響するのかを明確にし、理想的なワークフローを改めて作成するためにとても重要です。
時間と費用の節約という点でメリットを考慮してみると、反復的なタスクがある領域がより先鋭されます。
2.ビジネス目標を定義する
どのプロセスに多くの時間がかかるかを特定したら、自動化の実装から何を達成したいかを定義しましょう。
現在の手動ワークフローをベンチマークとして使用し、自動化によって達成できる目標を特定します。たとえば、パフォーマンス分析時間を短縮し、プロセスを最適化し、コア戦略にさらに集中することなどがあげられます。
3.適切なワークフロー自動化ソリューションを選択する
次のステップはビジネス成果、つまり目的を達成するには、どのツールを使用するのが適切か?自動化ワークフローソリューションを選択することです。現在注目されている、最新のトレンドは、やはり投資が少なくて済み、使用する上で柔軟性に優れたクラウドオプションを選択することです。
自社のビジネスモデル、業務フローと照らし合わせ、どのツールが適切かをしっかりとリサーチしたうえで導入しましょう。
4.従業員を訓練する
従業員は今まで慣れ親しんだ業務フローに変化が起きることを嫌います。しかし、彼らをまとめあげ、これらの新しい仕組みがどのように仕事に効率をもたらすかをしっかり説明しましょう。ある意味一番難しい工程ではありますが、今後の会社のためにはとても重要なことです。
現在の手動プロセスから新しい自動化システムへの移行がどのように利益をもたらすかを従業員に理解させ、すべての人のために適切なトレーニングセッションを提供しましょう。
5.パフォーマンスを監視し、ワークフローを改善する
最期のステップはワークフローの改善です。ワークフローの自動化の仕組みづくりが完成したら、それで終了ではありません。それを継続的にチェックし、その使用法に基づいてプロセスに関するフィードバックを提供する必要があります。
ボトルネックがある場合はすぐにそれを特定し、ワークフローをさらに改善していきましょう。
まとめ
今までのルーティーンを変えていくことはかなり大変であり、周りからの反発もあることでしょう。しかし、現在では高度なソフトウェアがビジネスの世界に浸透し、ワークフローを自動化し、ビジネスプロセスの効率を高めています。この波に乗り遅れず、生産的な作業に会社の社員の貴重な時間を費やすため、今回ご紹介したステップをもとにワークフローの自動化に取り組んでみてください。