「モレなく、ダブりなく。」みなさんは何かを考えるときにこれを意識していますか?
例えば、買い物に行くとき。食材などを買い終わった後に「あ、あれ足りない!」などを思い出してしまうことはありませんか?仕事に置き換えると、プロジェクトのメンバーを決めるとき、必要となってくる役割の人材をモレなく、ダブりなくアサインできていますか? これが事業企画の段階で発生してしまうと後々大参事を招くこともあります。
今回はそんなモレやダブりを防ぐために重要な「MECE」という考え方についてどこよりも簡単に、分かりやすく解説していきたいと思います。
MECEとは?まず一言で
「MECE(ミーシー)」とは、「Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive」の略で、「モレなく、ダブりなく」という意味です。
なにかを考えるとき、必要な要素を全てカバーしつつ、それらに重複がないように同時に行うことを指します。つまり、冒頭で述べたようなことが起こらないようにする考え方のことです。これはマーケティングでは重要なロジカルシンキングをする際に、必要不可欠な概念とされています。
言い換えると、なにか結論を出したい、ただ情報が多くある。そんなときにこれらの情報はそもそも結論を導き出すために必要な情報全てをカバーしきれているのか?そうでないのか?をチェックするための考え方と言えます。
ロジカルシンキングとは?
日本語で表現すると論理思考と呼ばれ、しっかり根拠や理由を筋道立てて結論を出すことを指します。つまり、予想だけではなく確実な裏取りやデータのもと結果を導き出すというビジネスマンには必須スキルです。
MECEな状態と、そうでないモレやダブりがある状態
下の表に都道府県を例としたMECEである状態と、そうでないモレやダブりが起きてしまっている状態についてまとめました。日本全国を分解する時にMECEでない状態はどのようになってしまうのでしょうか?
モレがある場合 | 日本の地方区分は中部、東北、関東、中国・四国、近畿、九州 | 北海道地方がモレている |
ダブりがある場合 | 日本の地方区分は北海道、中部、東北、関東、中国・四国、近畿、関西、九州地方 | 関西と近畿の地域が一部ダブっている |
MECEな状態 | 日本の地方区分は北海道、中部、東北、関東、中国・四国、近畿、関西、九州地方 | モレなくダブりもない |
MECEに考えるための2つの方法
上の例では日本を例とした分かりやすいものでしたが、これがビジネスとなるとそう簡単にもいきません。ただMECEに考えるためのコツや方法を日頃から意識していれば、それが段々と身に付いていきます。そのための2つの方法をご紹介します。
トップダウンアプローチ
「ある仮説は、理由1と、理由2、理由3から成り立つ」というように上(仮説)から下(その仮説に至る複数の理由)というように分解していくアプローチです。全体像や結論が明確な時、それを達成するためには具体的にどのようなことを行えばいいか分解し、情報を洗い出す際に有効です。しかし、全体像が不透明だと、情報を見落としてしまうこともありますので注意しましょう。
ボトムアップアプローチ
「理由1、理由2、理由3からこういった仮説が成り立つ」というように下(複数の理由)から上(理由による仮説)に積み上げていくアプローチです。部類分けしきれないたくさんの情報を集め、1つの答えへと導いていくといったようなときに有効です。しかしこの情報がそもそも偏ったものであると、導く答えも偏ったものになってしまうので注意しましょう。
まとめ
近年のビジネスはテクノロジーの進化などでユーザーについての多くの情報を取得できるようになりました。それらの情報を正しく部類分け、または分解し、適切な結論に導くためには、今回解説したMECEのような概念を身に付ける必要があります。
それだけでなく、会議などのシチュエーションでも全体がわかりやすく詳細化されたような説明、話し方ができるようになるのでコミュニケーションがスムーズになるでしょう。